私が社会人になった頃、「経営資源は人・モノ・金」だと聞いたことがありますが、それはもう随分昔のこと。最近では情報や時間も重要だと言われていますが、それではこの情報と時間…企業が経営を行う上でどのように有効に活用されているのでしょうか?
弊社でいただくご相談の中で、“時間”と聞いて、「うちは、早い対応・早いサービスをモットーとしており、それが弊社の売りです!」とお答えになる方も多くいらっしゃいます。
近年のスピード時代。「早い」ことが良しとされる傾向が非常に強く、それに慣れた消費者の満足度を更に上げるために、3日以内!いえ翌日には!いやいや本日中に!…と、もっともっととエスカレートしているように見えます。私自身も様々な商品やサービスを購入しますが、メールを送った途端に返信メールが届くとか、一日外で仕事をして帰ってみるともう商品が来ている、というケースも少なくありません。欲しいと思ったものにすぐ対応してもらえるのは非常に嬉しいことですが、だからと言ってそれが仮に翌日になったとしてもほとんどの場合大勢に影響はありません。直接行くなら週末だった本屋さんが、ネットなら2日後だったというだけのことも多いからです。
ここで言う時間とは、「経営資源としての時間」のことで、有効に活用されているかどうかを問うています。
確かに私も、前職時代から大事にしていることは、「スグに動くこと」。鉄は熱いうちに打てとばかりに、何事もスグに行動に移す事をモットーとしています。しかしこれは単なる顧客サービスのためだけではなく、私なりの大切な一つの経営スタイルだからです。私共のような小さな会社では、一人が負担する仕事は山のようにあります。また、仕事柄、工夫したり改善・向上したりできる課題はエンドレスにあり、良い結果を出すためにはここに惜しみなく時間を使います。そのため、自分で自由にコントロールできる時間を意図的に作り出さなければならず、これが出来ないことは業績の悪化につながり経営の行き詰まりを招きます。正にタイムイズライフ…時間は命なのです。
中小企業では、限られた人材・限られた人数で経営を支えています。その中で経営資源としての時間を最大限に活かしていくためには、一番価値のある人の時間をコントロールすることが重要です。売上に直接貢献できる人の時間をいかに有効に使えるか?そのための営業体制は仕組み化できているか?付加価値をブランディングでき、時間単価を上げることができているか?を常に考えて行かなければなりません。売上を効果的に上げていくためには、ここぞ!というタイミングで最大限の力を発揮できる体制づくりが大前提だからです。
経営者の皆さま。貴方の時間は会社の命です。貴方でなくても出来る仕事を自分でやってしまっていませんか?全ての人に共通する1日24時間の価値を上げて行くことこそが高収益の体制づくりにつながるのですよ。