応援コラム

第280話 ペルソナは自分、自らがドキドキするモノを提供してるか?

 

 

小売業やサービス業では当たり前のように行われている「ペルソナの設定」や「顧客管理」。製造業でも“toC向け”の商品開発やサービス提供をしている会社では浸透してきているのではないでしょうか。…ちなみに、ペルソナとは、商品やサービスを利用する架空のユーザー像という意味で使われていて、それを詳細に設定することで、商品・サービスの開発や店づくりに活かすことができます。「こんなお客様に来て欲しい」、「こんなお客様に使って欲しい」という理想の顧客像に対して商品・サービスをつくり、それを提供する場(店)づくりをしていくのです。また、そうして集めた顧客に何回も足を運んでもらうための情報提供やファンづくりに欠かせないのが顧客管理です。今回は、特にものづくりの会社にとって重要な「ペルソナの設定」について考えてみたいと思います。ペルソナ…あなたの会社の商品やサービスを使ってくれるユーザー像についてです。

 

ユーザー像というと、従来は「50代既婚の男性」とか、「40代独身・会社員の女性」などのように、主に年齢や性別、属性などで顧客を分けてターゲットを設定するのが一般的でしたが、近年のライフスタイルの変化よって、そうした分類だけでは顧客のニーズが予測できなくなってしまいました。そうした大雑把な分類では、根底にある価値観や行動特性などを把握することができないからです。

 

例えば、同じ50代既婚男性でも、モーレツ仕事人間で「お仕事第一!」「お付き合い第一!」で、実績をあげること、昇格すること、表彰されることで自分の生きがいややりがいを感じるタイプの人もいれば、「家族との時間が大事」「自分の時間も大切」にする人で、毎年の家族旅行を企画することにこの上ない生きがいを感じるタイプもいます。40代独身の会社員女性も同じくです。私の知り合いにも両極端なタイプがいて…一方は、絶賛婚活中で自分磨きに余念がないのですが、他方は、結婚なんて眼中に無く一人で人生を謳歌するんだとお酒を飲みながらいつも話しているそうです。この2人が大の仲良しなのがまた笑えるのですが、女性も男性と変わらない収入を得ることが可能になった今、独身女性だから…と一括りにしていては見えてこない現実があるようです。

 

近年このユーザー像についての考え方はBtoBの事業を展開する企業でもスタンダードになりつつあります。私は普段BtoB営業のご支援に関わる機会が多いのですが、商品・サービスの特徴の次に、理想とする顧客像や自社の理念・ミッションを伝えてくる企業がものすごく増えてきています。自社の考えに共感してくれる会社を探したい、共に成長できるwin-winの関係性を構築したいと考える経営者(特に若手)が増え、モノさえ売れれば…とか、売上さえ上がれば…としか考えない会社とは付き合いたくないというのが彼等の本音のようです。

 

ただ、仕事の取り方によってその感覚は違ってくるようです。積極的な新規開拓を行っている“攻めの営業スタイル”の会社は先ほどのような「理想顧客との出会い」に力を注ぐ傾向にありますが、元請・下請関係とか、以前からの付き合いでとか、他にやってくれるところがないから…というように仕事が向こうからやって来る状態が続いている…どちらかと言うと“待ちの営業スタイル”の会社は、顧客(仕事)を選ぶとか、顧客を育成するという発想がごっそり抜け落ちているように見受けられます。

 

仮に今は仕事が向こうからやって来ているとしても、いつまでも続くとは限りませんし、それを保証してくれるものは何もありません。明日、いきなり仕事がストップするかもしれませんし、自分の会社にしかできないと高をくくっていた技術が一夜にして他社にマネされる可能性もゼロではありません。その日に備えて、いつでも自社が理想とする顧客像を明確にして、そのお客様にアピールできる営業体制を整えておかなければ、「Xデー」を迎えてからでは遅いのです。

 

この、理想の顧客像を考える時に大切なことは、社長ご自身がどれだけ情熱を持ってアタックできるか?は非常に大切なものさしであると私は考えます。特に新商品を開発する際や、これまでお付き合いの無いタイプの客層をターゲットとする場合、自分たちは良いと思っていても相手も同じように感じてくれるとは限らないからです。

 

今思えば、私が以前保険営業をしていた頃のターゲット設定は本当にアバウトで、売上と業種(10億円以上の製造業みたいな感じ)でリストを作成して片っ端から飛び込み営業をしていましたが、やはり同じ規模感の製造業でも社長の考え方によって売れる商品が大きく違っていました。ここまで会社が大きくなったのは社員のおかげ、社員が働きやすい環境を…と社長が考える会社は「福利厚生を充実させる」ことを目的とした商品が受け入れられましたし、とにかく経費削減、ムダな経費は払いたくない…と考える社長の会社は、リスク細分型の選べる保険が受け入れられました。どちらが良い悪いではなく、相手の考え方(社長の思い=会社の方針)がそのまま保険選びの基準になっていることは決して珍しいことではないのです。私の性格上、前者の社長との相性が良く、結果としてそのような会社と多くお付き合いさせていただいていました。これは、保険商品の良し悪し以前に、私がそういう社長のお力になりたい!という気持ちが強かったからではないかと思います。

 

皆様の会社の理想の顧客像とは?

その理想の相手に対してアプローチするあなたの胸はドキドキ高まっていますか?

社長の鼓動は社員に、会社全体に、そして顧客の耳に届いていますか?

コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか?下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。
おすすめ記事
まずはセミナーに
参加してみませんか?
営業や販路についてお悩みはございませんか?
全12回のコンサルティングから、単発のご相談まで、柔軟に対応しております。
一緒に、営業の課題を解決しましょう。
初めての方はセミナーにご参加ください。
まずはセミナー情報はこちら
課題が明確な方は個別相談から。
個別相談のお申込みはこちら