コロナ禍で迎える2021年。人々の動きもいつもの年と大きく違い、年末年始の商戦にもいささか違いが出て来ているようです。普段なら家族を連れて帰省をする人たちも今年の年末は自宅で…と考えている人が多いでしょうし、毎年お正月は海外で…という人も今年は国内で過ごす方がほとんどでしょう。このような年末はある意味特別なのでしょうが、それでも変わらず季節は廻り、その年ならではの過ごし方(楽しみ方)を考えていかなければなりません。今年伸びているのは何と言ってもお家で楽しく過ごすためのプチ贅沢なスイーツや一人前お節などの食品…近年減少傾向にあったお歳暮も、なかなか会えない家族や大切な人に贈りたいと考える人も今年は増える見込みのようですね。しかもネット購入が圧倒的に多いのが特徴です。人混みを避け、普段は年末セールに行く人も8割弱が行かない(もしくは行くことをためらっている)という調査結果も出ているほどです。(株式会社アスマーク社が行なった「年末年始の予定に関する調査」による)
また、毎年恒例の初詣や旅行の取りやめを検討する人も増加し、他方では冬のボーナス減額なども重なってかなりいつもの年とは様子が違ってきています。
皆様の会社でも、普段とは違った年末年始の対策を取られていることと思いますが、この時期だからこそ考えておくべき大切なことがあります。それは、普段出会えない新たな顧客層を繰り返し購入(契約)してくれるリピーターに育てていく仕組みづくりについてです(リアルでもネットでも考え方は同じ)。動きが制限されているとは言え、やはり年末年始にはいつもは行かない場所に行ったり、普段ならやって来ない顧客が来たりして新たな顧客に出合えるチャンスがあることは間違いありません。ぜひその機会をチャンスに変える準備を整えておきましょう。今からでも間に合います!
私もこの時期、普段は滅多に行かない百貨店のギフトや高級食材のコーナーに足を運んでみたり、年末の大掃除をきっかけに部屋の模様替えをしたいな…とホームセンターや日用雑貨を見たり、また、長い休みを快適に過ごすための部屋着を探したりする機会があります。逆にこの時期を除いては、ほぼこういった売場に足を運ぶことはありませんが。
例えば弊社にも、この時期ならではのご相談(来年の事業計画や社員の採用について、また世代交代についてなど)があります。もちろん経営者にとってそれらは一年中頭から離れない重要なことではありますが、年末年始のまとまった時間にじっくり考えたい事柄について、その方向性や可能性について相談をしたいと思われるのがこの時期なのでしょう。
商品やサービスは違えど、たまたま来てくださったお客様に自社のことを深く知っていただき、ファンになってもらう仕組みをつくっておくことは非常に大切です。今回はそのためのヒントを3つお伝えいたします。
①自社のウリや代表的な商品を分かりやすくしておく
お客様のニーズに合わせるために、商品の品揃えの良さや「何でもやります」的なことをウリにしている会社も多いですが、その会社ならではのウリや代表的な商品をしっかり伝えられるようにしておく必要があります。例えば年末にお歳暮を求めてやってきた顧客が、それ以外の商品を別のお店で購入しているようなケースを想定した場合、「婦人服のリフォームには自信があります」とか、「小さいサイズの靴ならお任せください」などとひと言案内しておくだけでもその効果は全然違います。他に、「この部品、御社でできますか?」と一見さんから仕事を請け負う場合でも理屈は同じです。後々、「そう言えば…」と思い出していただけるように分かりやすく伝えておく必要があります。
②自社が本当に強いターゲットを明確にしておく
たまたまやって来たお客様にとって、貴社が本当に大切にしているターゲットが誰なのかをはっきりさせておくことは非常に重要です。顧客は商品や店舗の外観・カラーなどでその会社のターゲット層を勝手にイメージします。使っている色が少し明るいと若々しいイメージになり、そのため、自分とは少し年代が違うかも…と思ってしまうことがあります。30代女性とか40代男性といった年齢や性別も大切ですが、併せて、〇〇を大切にする人、□□な効果を得たい人…といった価値観も伝えられるとより良いですね。来てくれたお客様が「ああ、これは私のための商品(サービス)だ!」と感じてくれることが理想です。
③自社の魅力が伝わるツールを渡せる形にしておく
皆様の会社では、新規のお客様と話す時間はどれくらいあるでしょうか?しっかりと商談する場合であれば1時間くらい話し込むことができるでしょうが、店舗の場合ならほんの数分ということがほとんどでしょう。その限られた時間にどれだけ皆様の会社の魅力が伝わっているでしょうか?私が以前保険でお世話になった会社様とは10年近いお付き合いをさせていただき、その間、一緒に旅行に行ったり食事やイベントにもお声がけをいただいたりして本当にお世話になりましたが、実際にお互いのことをどれだけ知っていたかと聞かれると、それでもきっと限られた情報だったのではないかと思います。初対面のお客様に自社のことを知ってもらうためには、その場で渡せるツール(会社や社員の紹介チラシや小冊子・コラムを綴ったものなど)を準備しておき、帰ってから見てもらえるようにしておくのも一つの方法です。最近はLINE@やアプリの登録をすすめるところも多いですが、それらはあくまでもクーポンやキャンペーンの案内が中心。皆様のことを知ってもらうものとしてチラシや冊子などすぐに見てもらえるツールは効果抜群です。
いかがでしょうか。
日頃からしっかりと営業活動を行なっている会社であれば当たり前にできていることですが、年末の慌ただしさに流されてしまっているところは意外にできていないかもしれません。せっかく来てくださったお客様に少しでも貴社のことを知っていただき、次につなげる努力をする…普段から3つのことを徹底しておけば仕組みとして回り出します。ちゃんとできていないかも、とお感じの経営者の皆様。この年末年始にぜひ取り組んでみてください。リピート率向上間違いなしです!