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「戦略的な営業」という言葉に潜む落とし穴

 

営業に悩む世の中の企業が抱える課題が、仮に営業トークに関することだったり営業ツールに関することだったりすると、「それは戦術であり、根本の戦略を見直さないと…」という議論になったりします。確かに大きな方向性を示す戦略は重要で、それ無しに手段ばかりを考えていても一向に業績は上がらないことは皆さん理解していらっしゃると思います。

 

それでは、「営業戦略を考える」「戦略的に営業をしていく」ことを実践しようとした時に、それをきちんと言葉にして社内に浸透できている会社はどれくらいあるでしょうか?

 

今後はこういうニーズが高まるからこういう方向で…

この分野が伸びているからこの業界を攻めて行こう…

自社の技術や経験が活かせて勝てる市場で戦おう…

 

という大まかな方向性を決め、ターゲットを絞って、ウリとなる商品を決めて、売上目標から逆算した行動計画を立てていく、これが営業戦略だと考える社長もいるでしょう。

 

確かにそれぞれの会社にはその存在を維持するために最低限必要な売上(利益)があるし、それを達成することが最終目標と考えるのも最もですが、果たしてそれは御社にとって理想的な営業戦略なのでしょうか?

 

今回のコラムは、新しい年になっても経営環境に改善の兆しが見えない今だからこそ、しっかりと考えていきたい「営業戦略」について書いてみました。

 

■一般的に言われている「営業戦略」について

 

営業戦略については様々な見方・考え方があるせいか、世間には営業戦略について書いた本や情報が溢れています。例えば…

 

<その1>

営業戦略とは、自社の営業資源(人や時間、お金など)を活用して効率的・効果的に売上向上を目指す方策のこと

 

とか、

 

<その2>

自社の優位性を活かして目標を達成する方策のこと(差別化・独自化がキーワード)

 

とか、

 

<その3>

会社が掲げる年間目標を達成させるために何をどう売れば良いか?という一連のストーリー(具体的な目標設定)

 

といった具合です。

どれも大切なことなのでご自身の考えに合うものをベースにされると良いと思いますが、共通するのは売上目標達成です。多くの会社の営業会議が「売上」「売上」の号令の下に行われる所以です。

 

この戦略の部分があいまいなまま下におりてくると、

 

「誰に向けて(ターゲット)」

「何を(ウリの商品)」

「どうやって(差別化)」

「いつ、いくら売るのか?(目標設定)」

 

という部分だけが強く伝わるため、現場の営業マンたちは「会社から言われた商品を毎月のノルマのために売っています」という構図を生んでしまいます。

 

■売らされている感がもたらすもの

 

私が大手生命保険会社で営業をしていた頃。

経営者にはしっかりとした考えがあり、会社には営業戦略というものがあったのでしょうが、私たち営業社員には難しい戦略など理解できるはずもなく、とにかく毎月の売上目標を達成することのみが頭の中をいつも占めていました。

 

・ターゲットは、年齢高めで収入高めな人。(年齢が高いと保険料も高い)

・商品は掛け捨ての定期保険。(貯蓄タイプは評価ポイントが低い)

・新しい特約や付帯サービスで差別化。(他社の穴を突く)

・毎日数十件のテレアポとアンケート訪問。(戦う相手は競合他社ではなく同僚)

 

こんな風に毎日営業活動を行っていました。

仮に目標を達成できると、会社からの個人の評価は上がりますが、果たしてお客様にとってはどうでしょうか?これを繰り返すうちに、「何でこんなに大変なことをやらされるのだろう…」「いつまでこんなことを繰り返すのだろう…」という先が見えないトンネルに入ったような気持ちになって、多くの社員がやる気を失ったり辞めていったりしてしまいます。

 

会社にはしっかりと戦略があるのにも関わらず、社員が一向に成果を上げてこない…と経営者が嘆く典型的なパターンです。

 

■私が考える戦略的な営業とは

 

ここで、私が考える戦略的な営業についてお伝えいたします。

 

前述の、

「誰に向けて(ターゲット)」

「何を(ウリの商品)」

「どうやって(差別化)」

「いつ、いくら売るのか?(目標設定)」

を具体的な実行に移す前に、次の3つのポイントを入れ込んで同時に考えることです。

 

①計画的に進められる。

 

ターゲットと商品を決めて、いつから何をするか?を決めれば行動に移せるような気がしますが、実際には頭で考えている通りに物事は進みません。営業はあくまでも相手があって初めて成り立つもの。自分がどう動くと相手は何を感じ、どう動くのか?その結果、どうなるのか?を事前にしっかりと考え、何パターンも想定しておく必要があります。

 

そのシミュレーションをするためには、顧客の情報や他社の情報、自社のリソースについて深く知っておく必要があります。「計画的に進める」とは、いつ・誰が・どうやって…を決める前に、しっかりとした情報収集と現状把握を行うことであり、それが成功のカギを握っているのです。

 

②優先順位を明確にする。

 

成果を出そうとすると、やることリストを事細かに作成し、その実行管理に力を注ぐ会社も少なくありませんが、人材不足や働き方改革(就業環境の改善)、最近ではテレワークの推進などで重要な業務に割ける人員や時間がものすごく限られてきています。特に人手不足が深刻な中小企業では、「デキる人がやる」という会社が多く、できる人ほど多くの仕事を抱えています。

 

一部の優秀な人材に業務が集中し、やることばかりを増やしても実際には回らない…という結果を招いてしまいます。何かを増やす時には同時に減らすことも検討しなければなりません。やることリストの前に“やらないことリスト”の検討が必要なのです。それをしないまま、どんなに立派な計画を立てても、絵に描いた餅になるだけです。

 

③ビジョン実現に沿わせる。

 

なぜ売上向上達成に営業戦略が必要か?と聞くと、多くの経営者は「(目標を達成して)勝つためだ」と答えるのではないでしょうか?もちろんこの競争社会において他社に負けることは自社の衰退を意味し、何が何でも勝たなければ!という気持ちも理解できます。

 

しかし、本当に売上向上を達成する目的とは、他社を負かすことでしょうか?自社だけが勝ち残れば良いのでしょうか?先ほどの生命保険の例で言うと、自分の営業成績さえ上がれば、お客様の利益は後回しで良い…、他社の商品は解約になっても良い…、負けた同僚のことなんて知ったこっちゃない…という発想につながりかねません。(極端な例ですが)

 

お客様のメリットを最大に考えて「ありがとう」と喜んでもらうとか、この会社で働いて本当に良かったと社員が実感するとか、そういったもの…会社が存在するために本来大切にするべき理念やビジョン…に沿って営業活動が行われなければ、世間から会社の存在自体に疑問を持たれてしまいます。

 

理想的な営業戦略とは、“自社の存在価値を最大限活かして最も効果的に売上をつくるための営業”を設計することです。そのためには、社会から必要とされる貴方の会社の存在意義を明確にし、価値を磨き上げていく必要があります。

 

貴方の会社が存在する意義はどこにありますか?

その意義や価値が活かされた営業戦略を考えていますか?

そしてその戦略はしっかりと社内に浸透していますか?

 

不安定な時代だからこそ、しっかりと自社について考えてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

■ビジョン実現に沿った営業戦略策定と自社の価値が活かせる営業設計に

ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

■自立的な人材の教育体制づくりにご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

皆様の会社の永く力強い事業発展を心よりお祈り申し上げます。

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