応援コラム

とっさの態度に現れる“自社の基準”は明確か?

20161108

「今回の継続契約は見送るよ…」

 

損保の営業マン時代、毎年、更新案内のお電話をする時が一年で一番緊張する瞬間でした。基本、掛け捨ての保険に年間数百万円をお支払いいただいても、事故がなければお役に立つ機会も無く、そのウチに何となく「これ、高いんじゃね?」…と無駄コストの仲間入りをし、結果、継続落ちをしてしまう、そういう仲間をたくさん見てきました。経営者にとって、きっと“無駄”と感じた瞬間に、そのものの価値は“ゼロ”になるのでしょうね。

 

一方で、日頃は大きなビジネスや将来への夢を語り、「社員が宝だ」と豪語する経営者も、ひとたび何か“コト”が起きた途端にオロオロし、社員を悪者扱いする方もいらっしゃいました。面白いですよね…人の判断基準は常に自分の価値観がモノサシになり、昨日の宝は今日のゴミに一転することもしばしば、営業の面白さはこのような人間模様に直に触れることができるところだと私は思っています。

 

しかし、普通の営業社員にそんな呑気な事を言っている余裕はありません。冒頭の顧客のように、「これはもういらない」などと言われてしまっては自分の成績に直結!何とかしがみついて継続してもらいたいところです。

 

この“しがみつく”というスキルは、営業マンの力量がかなり問われる部分なのですが、「お願いですから何とかもう一年、続けていただけませんでしょうか?安くしますから」…と、ただ頭を下げるだけでは芸がありません。そこで何かしらの付加価値を…と、様々なサービスを提案してみるのも一つです。また、場合によっては、契約に至るまでの過去の経緯をストーリーにして伝え、その顧客のそもそものニーズがどこにあったかを一緒に振り返って原点に立ちかえる…という人もいるでしょう。またある人は、社内の上席と同行し、自社にとっていかに大切な顧客なのかを伝える…というのもアリでしょう。

 

実は、このような場面で非常に重要になるのが“自社の基準”です。自社の基準とは?…自分たちが大切にしているものは何で、そのためには何を優先し、何を切り捨てるのか?何の提供にこだわり、何のために存在するのか?…という会社のモノサシです。なぜこれが重要なのかというと、「契約がトブ」という不測の事態に遭遇した時、日頃、“商品売り”・“安売り”・“他社比較”といったスタイルで動きがちな営業マンは、ついつい自分の実績や評価という基準で物事を進めがちになるからです。本来、会社と会社、会社と個人という契約関係を考えた時、優先されるべきは経営者が考える「その会社の基準」であるはずですが、営業マンの頭の上には大きなノルマが重くのしかかっており、何でも良いから契約することだけを考えがちなのです。

 

例えば、無理難題を言って来る相手に対しコッソリ自腹で対応したり、「たくさん買うから」と法外な値引きに応じたり、偉そうにしてくる相手を特別扱いしたり…と、一見どこでもありそうな事ですが、現場で行われるこのような小さな積み重ねは、やがて会社の不信感につながり、とんでもなく大きなダメージを招くことになるのです。どんな大口顧客であっても、他の大切なお客様を守るために断固として断らなければならない場面はあるし、自社のブランドを傷つけないためにもやってはならない事は必ずあるのです。

 

もしも皆さまの会社に、「契約さえ取れていればイイ」という空気が漂っていて、いざという時の判断を営業マン任せにしているとするならば、それはあまりにも恐ろしく無責任な話しです。自分の会社が大切にすることは何なのか?判断基準はどこにあるか?それをしっかりと社員に伝えておくことは企業ブランドづくりの大切な第一歩なのです。

 

経営者の皆さま。御社の営業マンは、「断る基準」を知っていますか?とっさの時に何でもかんでも契約を拾ってきていませんか?理想の顧客を創り出すのは経営者の仕事なんですよ。

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