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人生100年時代、本当の意味の「健康」経営を考える

 

 

「人生100年時代」とよく耳にしますが、皆様はこの先の人生をどう生きようか?考えたことがありますか?定年の無い経営者にとって、経営とは人生そのもの…と思っている人も少なくないでしょう。確かに、自分がつくった会社、長年培ってきた技術、たくさんのお客様と一緒にいつまでも生きていくことができれば、こんなに幸せなことはありません。いくつになっても生きがい・やりがい・働きがいは人を活き活きとさせてくれます。

 

しかし、個人経営の会社であればそれも良いかもしれませんが、多くの会社は世代交代・事業承継をしなければならず、しかもなるべく早い時期からの準備が必要だと言われています。時代変化のスピードがこれだけ加速している中で、いつまでも一人の経営者の考えや判断に任せる偏った経営では、会社の寿命を短くしかねません。自分自身が長生きすることと、その中で生きがいを見出すこと、また、大切な会社を長続きさせることは、主人公は同じでも、それぞれに違ったストーリーが求められている、ということです。少し寂しい気もしますが。

 

さて、一方の会社員は?と言えば、残念ながら定年があります。この超人手不足の日本においては、定年後も再雇用や再就職で長く働く人はいますが、やはり現役時代ほどの収入にはなりませんし、現場の第一線というわけにはいかないので、少し物足りなく感じる人もいるでしょう。中には年下の上司から使われることに嫌気がさしてやる気を失ってしまう人も少なくないようですね。

 

いずれにしても、50歳前後の折り返し地点でしっかりと考える必要があります。人生も経営も、常に新たな生きがいや目標を見つけていくことが「健康」を保つ秘訣なのですから。

 

私たち人間は、繰り返し行うことでそれを意識しないでもできてしまう学習能力を持っています。仕事の段取りも、家族との会話も、いつもの満員電車も…何となくこなすことができてしまいます。ちょっとくらい大きな仕事が決まっても、反対に少しくらいのトラブルがあってもほとんどが想定内、まあこんなもんかと思ってしまうようになります。

 

これは会社を経営する立場でも同じかもしれません。長く続けていると、しかも、その経営が安定しているほど新たな刺激を感じられない、特別な感動が無い毎日が続き、マンネリになってしまって飽きてしまうのです。実は、「経営に飽きる?何て贅沢な話でしょうか?」と思った経験が私にはあります。先日お会いしたある社長で、そこは創業から30年以上続いていて業績も安定、このコロナ禍においても特段の影響も受けずにいつもと変わらなかったとおっしゃっていました。でもその社長は何だか浮かない顔をしていらっしゃいました。「これだけ大変な時に経営を安定させていらっしゃるなんて素晴らしいことじゃないですか」と申し上げましたが、「それは親会社のおかげで私の力じゃないんです。もうそろそろ引退したいのですが、後継者が見つからないので辞めるに辞められないだけです。」とおっしゃっていました。

 

吹けば飛ぶような私の会社から見れば、社員を数十名抱えて安定経営なのに早く辞めたいだなんて…と一瞬不思議に思いましたが、よくお聴きしてみるとやはり同じことの繰り返しに正直飽きてしまったという風にお話なさっていました。

 

ただ、資金力がある会社なので、いくらか投資をして新商品を開発してみたり新しい事業に挑戦みたりなどいくらでも道はあったでしょうが、この会社は後継者候補となる人材や、新商品・新事業に挑戦するような人材が育っていないため、何か思いつくと社長が全てやらなければならない…ということですっかり諦めてしまっていたそうです。外部の力を使って…とも考えてみたそうですが、外部の力をうまく使おうと思うと、自分の考えやビジョン、事業構想などもうまく伝える必要があり、話し下手な社長はこれも断念してしまったそうです。

 

私も、過去に新商品や新サービスの開発・導入に関わった経験がありますが、開発も営業も社内のトップが関わらなければ絶対に成功しない…と実感しました。中途半端なアイディアやカタチ、営業手法では新しい市場を開拓することができないからです。「新たな市場を創る」ことは思った以上に情熱が必要ですものね。そうすると、やはり先ほどの会社では社長の仕事となってしまうワケです。

 

会社経営も同じ状態が続くと飽きてしまう、これは人間なので仕方ないことなのかもしれませんが、社長が飽きてしまっている会社で働く社員やその顧客はどう思うでしょうか?まあ、安定して給料がもらえれば良い、いつも通りに製品を納めてくれれば良いと考えれば問題ないですが、それだけではせっかく経営者として生きているのに何とももったいないお話です。ぜひ、顧客が思ってもいない新たなサービスやそれにつながる技術の開発に挑戦してみませんか?また、全く新しい分野に挑戦してみるのもアリだと思います。

 

しかし、先ほどの会社のように、何をするにも社長しかいなくて何とか次の世代の人材の教育や採用が先決と考えている会社や、一足飛びに新商品開発では少しハードルが高いと思う会社もあると思いますので、オススメの方法をお伝えします。

 

…それは、まず自社の「経営」という広い庭の真ん中にしっかりとした柱を立てることです。嵐が来ても雪が積もっても決して折れることのないズッシリ太い柱です。一般的には「経営理念」とか「経営方針」なんて呼ばれています。

 

ああ、経営理念ならあるよ、とおっしゃる社長も多いですが、ホームページに書いてあるだけ、社長室の額に飾ってあるだけ…の形だけの理念やビジョンではなく、会社の中央にどっしりと構え、全ての物事の物差しとなり得るものである必要があります。そこには、「自社が何のために存在し、どこへ向かって、何を成し遂げるのか?」を誰もが読める言葉で刻む必要があります。その柱があることで、会社や社員がこれまでやってきたことの意味や意義を感じることができるし、自信につながります。

 

互いに助け合ったり協力したりしたことが会社の歴史をつくってきたのだということや、会社の存在意義とは「売上」とか「利益」といった数字だけじゃないということにも気づくことができます。「勝った」「負けた」の結果だけが全てではないということです。

 

将来、新商品のアイディアを出す時には、必ず社内のリソース(技術や資金以外に顧客や過去の実績など)を洗い出す必要がありますし、新たな商品が出来上がって伝達しようとした時には、世間から「なぜこれを生み出したのですか?」と必ずストーリーを聞かれます。

必ずです。

これだけ世の中にモノが溢れている時代に新しいものを創り出して売って行こうとする時、それが単なる金儲けだと思われた瞬間に市場から相手にしてもらえなくなります。今、社会が求めているのは共存・共栄であり、そして共感が得られるものしか選ばれないからです。

 

会社が「健康」でいる状態…それは、そこに「希望」があり、「未来」があることです。会社の未来を創り出すのは社長の仕事なのです。御社の経営のど真ん中に太い柱を立て、本当の意味での健康経営、始めませんか?

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