応援コラム

営業の離職率が高い理由は、「職人化しやすい仕事」だから?

 

「うちの営業社員がまた辞めちゃいましたよ。1年かけてようやく仕事を覚えたところなのに、また一から採用・教育のやり直しです。」

 

営業社員の離職に悩む会社は少なくありません。特に、証券や保険などの金融業界や、不動産業界など新規開拓を主とする営業会社は離職率が高い傾向にあります。やはり既存顧客を回るルート営業よりも新規開拓はハードルが高く、その割に高い目標が設定されていたりするからでしょうか。夢や希望を持って営業の世界に飛び込んできても、長く続く社員は一握りの限られた人だけ…という結果になってしまいがちです。

 

確かに、最近はWebを使ったオンライン営業やメール・DMなどを使った営業手法も増えてきましたが、新規開拓の主流はまだまだ飛び込みやテレアポという会社も少なくないでしょう。「直接断られる」「ロクに話も聞いてもらえない」「嫌な顔をされる、無下に扱われる」など、精神的に受けるダメージが大きく、新人営業マンには試練の場であることに違いありません。飛び込み営業と言えば、私もこんな経験があります。ある商店に飛び込み、奥様とおぼしき方がいらっしゃったので、名刺を差し出しながら「〇〇保険の…」とひとこと口にした途端、「帰れ!」と言われました。また別の訪問先では、目の前で名刺を投げ捨てられたこともありました。こんなことが続くと、さすがに心が折れちゃいますね。とほほ‥。

 

しかし、時にはこんな事もあります。たまたま社長がいらっしゃって、たまたま時間が空いていて、たまたま機嫌が良かったりしてトントン拍子に話を聞いてもらえるとか、ちょうど見直しを検討していたところだった…みたいなタイミングで飛び込んだとか。まあ、このようなケースはごく稀ですが、全くゼロではないというお話しです。

 

確率論的に言うと非常に非効率な「新規営業」ですが、企業にとって新たな顧客を創造することは永遠のテーマです。既存先だけに頼っていては、顧客の経営状況や後継者不足などの課題に伴いいつしか売上が縮小したり、突然大口契約者にそっぽを向かれたりするリスクを抱えてしまいます。時代の流れや価値観の変化に伴って、自社も常に変化に対応し、強い営業社員を育成していくことが求められています。

 

そんな変化対応型の営業体制をつくるためにはどうしたら良いか、本日はポイントを2点お伝えいたします。

 

一つ目は、営業組織がなぜ変化しにくいのか?という点です。

 

営業の現場では、その時その時でアプローチするべき先は変化しているはずです。例えば、今であれば在宅ワークや巣ごもり消費といったキーワードで提案できる商材やそれを必要とするターゲットが考えられます。実際に、弊社でもオンラインによる営業や、動画を活用した営業ツールの相談などが増えています。顧客や世間のニーズに沿った提案は、新規開拓のハードルを下げ、初回面談率を各段に上げてくれます。しかし、それを理解しているにもかかわらず、営業のやり方を変えようとしない一部の人が存在するのはなぜでしょうか?

 

それは、変化を恐れる心理が働くからです。今までと違う営業手法や、行ったことがないエリアへの訪問など、慣れ親しんだ営業のやり方から脱却することへの不安、それにより、普段通りの成績が出せない不安、ベテランとしてのプライドなど、優績社員ほどこの傾向が強く見られます。

 

営業という仕事は一人で訪問することが多く、どのように提案し、クロージングしたのか他の社員には分からずどうしても職人仕事のようになりやすいもので、新人営業マンが長続きしない理由は、この職人技が習得できず業績を上げられないから…と思いがちですが、それ以外にも、過去からのやり方・考え方を死守しようとする営業体制が続いているために、時代に応じた営業活動が行われていない可能性があるということです。

 

そして二つ目は、営業パーソンのモチベーションについて。営業マンに必要なスキルと言えば、聴く力や分析力・提案力などいくつかあり、教育に力を入れている会社も多いと思いますが、そのモチベーションを維持する方法は?と言うと、報酬や福利厚生など外側から動機づけをする会社が多いのではないでしょうか?確かに、大きな契約を取った時の報奨金や、目標を達成した際の表彰などはモチベーションアップにかなり有効ですが、営業という仕事を長く続けるためには、この外側からの動機づけだけでなく、内側からこみ上げてくる動機づけにフォーカスする必要があります。

 

以前の保険会社には、営業社員ごとの実績が壁一面に張り出され、毎日の朝礼で優績社員が褒めたたえられるという習慣がありました。今は分かりませんが、これに近いことをやっている会社も多くあると思います。競争に勝つ、目標数値を達成する、金銭的な報酬を得るということは非常に大きなモチベーションアップにつながりますが、それ以上に大切なことがあります。

 

それは、内側からの動機づけ、即ち、自分だけが持つ力や経験・価値観を活かして、自らの使命を達成すること…「お客様の役に立ちたい」という気持ちを大切にすることです。私がこれまで見てきた優績営業マンの多くは、この「内なる使命感」をしっかりと持っていました。自分の良さを認めてもらって顧客と友好な信頼関係を構築し、その上でしっかりと課題を引き出し、適切な提案をして契約につなげるという理想的な流れを持っている人です。

 

この、内側からの動機づけのもととなる価値観や使命感は、自分自身で見つけることができる人もいますが、多くは、日々の営業活動や上司・先輩との同行営業や定期的な面談などの中から徐々に見つかるものです。これを大切に育んでいくことこそが、営業という仕事にやりがいを感じ、長く活躍してくれる営業社員を育てる大切なプロセスなのです。

 

皆様の会社では、営業体制の変化を拒む空気はありませんか?

外的なモチベーションアップだけに頼っていませんか?

本当の意味での効率的な営業活動や、やりがいを感じられる組織づくりをしていますか?

 

営業の離職率が高いのは、組織の在り方や教育方法に課題があるのかもしれません。

そこにメスを入れることで、業績のV字回復も夢ではありません。変化の時だからこそ、ぜひ社内を見渡して、変化対応型営業を実現しましょう!

 

 

 

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