応援コラム

小さな事にこだわってこそ守れるもの

夏休みを前に益々盛り上がる東京ディズニーランド。“TDL”という略称をよく目にしますが、決してそのまま読まれることはありません。口に出して読む時には必ず「東京ディズニーランド」なのです。

 

“TDL”と言われて、人は夢を感じるでしょうか?「東京ディズニーランド」と呼ばれるから人は夢を感じるのであって、私たちは絶対にTDLとは読まないんです。ブランド管理とはそういうことなのです。・・・以前、ディズニーランドのマーケティングに関わった人が書いた何かの記事で読んだことがあります。ごく当たり前のことですが、こういった小さなこだわりこそがブランドを守ることになるのですね。

 

全く比較にはなりませんが、私は自分の会社の名前にとてもこだわりを持っています。“H&Cブランディングマネジメント株式会社”と少々長い名前ですが、一つ一つにとても大切な思い入れがあり、どれ一つ削ることができず大いに悩みましたが、最終的にはそのまま社名としました。その意味や想いについてはまた機会がある時にお伝えしますが、今日は長年営業をしてきた中でこれだけは!とこだわってきたことについてお伝えしたいと思います。

 

前職は、法人専門の保険営業をしていましたが、その現場では、毎日多くの経営者と面談し、保険の見積書を作成し提案する、ということを繰り返していました。契約数という結果だけが評価の対象となる営業現場では、どれだけ行動したのかが問われるため、ひたすら日々の面談数と見積提案数にこだわっていました。

保険商品には多くの種類がありその内容も様々なので、自社商品だけでなく、他社商品の特徴やメリット・デメリットなど理解していなければ勝負に勝つことはできません。経営者の中には、その複雑な内容を理解できず値段だけで決めてしまっている方も多かったようです。

 

保険のプロなら別ですが、大概の人はその見積書や約款に書いてある小さな文字の意味を理解することはほとんど不可能で、しかもその選択が良かったかどうかは保険金が支払われる段階にならなければわからないため、「お客様にとって有利なことしか言わず不利なことを説明しない」ということは日常的にあり、営業マンのモラルが問われるところです。優良顧客を多く持っているセールスマンほどこういう大切なところにこだわりを持ち、そんな先輩の指導を受けた私もいつしかこだわりの営業マンになっていました。わからないことは徹底的に調べ、時にはお客さんのフリをして他社に電話を掛けて説明を聞いたり、また、保険金支払の部署に確認して過去の支払い事例などから本当に必要な情報を得たり。周りからは少し面倒くさい社員だと思われていたようですが、「お客様に必要な情報の提供」に徹底的にこだわり、時には時間と労力だけを費やして契約に至らないケースもありました。

 

しかし、今になって振り返ると、12年という長い時間を掛け、そうした小さなこだわりが自分の習慣として身についたことはとても大きかったと思っています。目に見えない、すぐには必要無いことを伝えることができてこそ安心につながり専門家という信用につながるのです。

 

今月の数字がスグに欲しい!という経営者にとっては気の長い話しかもしれませんが、世の中の“ブランド”と呼ばれる優れたものは、見えないこだわりが支えていると思いませんか。

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