応援コラム

弱いからこそ勝てる中小企業の経営戦略

 

大企業にあって中小企業にないものとは…例えば、資本力であったり、優秀で多種多様な人材であったり、あるいは知名度であると言われています。

 

 

確かに資金が豊富にあれば積極的な投資もできるし、優秀な人材を好待遇で採用できます。その結果、大きな成果を上げると知名度も益々上がる…という好循環が生まれますが、一方の中小企業は…といえば、今回のようなコロナ禍での自粛営業などの事態に陥ると、固定費の支払いなどで早々に資金繰りが行き詰まってしまった会社も少なくありません。その資金力の違いは戦艦大和と池に浮かぶボートに例えられるほどです。

 

ただ、今回の騒動では例え大企業であっても素早い方向転換ができたところとそうでないところ、また、「新たな常識」を素直に受け入れられる風土である会社かそうでないかによってその様子も大きく違いが出て来ているようです。

 

このように考えると大企業であることのデメリットも見えてきます。その最大のデメリットは…何といっても巨人であるがゆえの「動きの遅さ」です。日本の大企業の動きの遅さは海外でも有名ですが、コロナ禍にあってその弱さが如実に表れた感があります。一部上場企業であっても、「さぼられるのが怖い」という理由で在宅勤務を推奨しないある会社がマスコミに取り上げられていましたが、そこの社員は、「この会社、見た目は立派だが自分達社員を守ってくれない、社会的責任を感じない会社なのだと思った」と話していました。経営者や管理職の危機感の無さが目立つきっかけになってしまったのです。

 

 

それに対して、中小企業はどうでしょう。中小企業には時代の変化に俊敏に対応できるという強みがあります。いわゆるスピード感です。今後益々加速するであろう環境の変化に適応できる力を持っているのです。もしかすると、だんだんと元気を失っていくかもしれない大企業に対し、中小企業にとってはチャンスが到来したと言えるかもしれませんね。

 

世間を見渡すと、2021年も決して安泰な一年になりそうにありませんが、こんな時だからこそ、私たち中小企業が持つ強みを活かした力強いスタートダッシュがかけられるよう年末に向けて準備をすすめていきたいものです。そんな来年の経営戦略を考える時に、中小企業が生き残るための大切なポイントが3つあります。

 

 

1.自社は弱者であると自覚する

 

今の事業が順調に回っている時や、新たな事業を興したばかりの時などは、ついつい自信過剰になってしまい弱者であることを忘れがちです。正にいま現在も、新たな事業を始めたり世間が望む商品やサービスをいち早く商品化したりして確実な利益を生みだしている企業が多いのも事実。「チャンス到来!」とばかり調子にのってしまいがちなのですが、私たち中小企業は大企業と比べて様々な面で脆弱です。急な法律や制度改正による経営環境の変化や社内の問題が明るみに出る(例えば情報漏洩やハラスメント問題)などの信用問題が発生してしまうと、たちまち経営に行き詰まる可能性が高いのが中小企業の現実です。

 

政府の政策であるGo To トラベルも、延期になったと思ったら全国一斉に中止になるなど、我々を取り巻く環境は日々変化しています。確実な未来を描くためには、自社の実現可能な範囲を想定し、盤石な体制で挑むことが求められます。

 

 

2.他社との差別化を明確にする

 

これまで多くの企業の商品・サービスを見てきましたが、「他社には絶対にマネできない!」と言い切れるものは世の中にごく少数です。仮につくっている側がそれを自負していたとしても、市場や顧客にその違いが伝わっていないケースが本当に多いのが現実です。それを伝えるにはそれなりの表現力や営業力、“伝導力”といったものが必要になるため、それらに欠ける企業では、“一般的な”ニーズにこたえるものをつくったり販売したりしてしまいがちです。その良さや違いをしっかりと伝えなくても“ある程度”売れる市場があるもの…。

 

しかし、その分野には競合他社がうようよ!しっかりとマーケットを調査・分析していく必要がありますが、これまた苦手となると、最後は価格で勝負…となってしまいがちです。

 

いずれの場合も、他社に勝てる何かをつくれるか、それを伝える力をつけるか、そのどちらかしかありません。他社との差別化は避けては通れない道なのです。

 

 

3.自社が有する資源を見直す

 

戦略には自社の資源をどのように活用するかも非常に重要です。自社の資源とは、「お金」や「人材」だけでなく、「立地」や「その土地の行政のサポート」、「顧客や取引先」、「歴史」といったものもあります。以前、ある会社のお手伝いをさせていただいた時のこと。古くから続く老舗メーカーで、広大な敷地の中には京都の伏見稲荷大社から分霊していただいた神社が祀られていたのです。先代の社長が地域の人々や社員の幸せを願って立てたものらしいのですが、社員のほとんどはそのことを知りませんでした。そのような「想い」やそれを形にした神社は、自社の魅力を伝える大事な資源となるのです。

 

厳しい時こそ、自社が置かれた環境を見直してみることで新たな資源に気づくものです。そしてそれが経営戦略を実行する上で強力な武器となる可能性があります。そのためには、経営者である貴方自身が、「うちには何もない…」と思うのではなく、「きっと何かある!」という視点を持って探していくことが一番重要です。だって、社長すら信用していない会社のことを誰が信じてついて来てくれるでしょう。

 

これから益々、中小企業が弱みを強みに変えて大企業に勝てる時代がやってきます。

その具体的な経営戦略を立てる前にぜひやって欲しいことがあります。

それは、「経営者の頭の中にある地図」を見える形にすること。

 

 

社長が描く未来への地図です。それを可視化することで

 

①貴方と共に歩んでみたい人材の発掘と採用

②貴方が望む、自社に相応しい顧客の開拓

③貴方の価値観に対する顧客や社員からの共感

 

の実現を可能にすることができます。

 

目の前にある事実は一つですが、“信じて”、“角度を変えて”多角的に見ることで可能性は無限に広がります。

「ウチは中小だから弱いんだ」と諦めた時点で終わりです。

ぜひその弱さを強みに変えて2021年も勝ち残って行きましょう!

 

皆様の頭の中にある地図…可視化のお手伝いが必要な方はお気軽にオンラインでご相談ください。お力になります。→ https://www.hc-bm.com/inquiry.html

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