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技術力を磨くか?得意先の信頼を得るか?

「来月以降、親会社の動きがハッキリしなくて売上の落ち込みが想定されます・・・。社員には、単価を下げてでもたくさん仕事を取ってくるようにハッパをかけているのですが、なかなか思うようにいかなくて。」

 

先日、個別相談にいらっしゃったある経営者の方からのご相談です。この会社、典型的な下請け型の事業で、特定の得意先からの注文に対し日頃から品質や納期・技術力などを問われる上に、仕事量を確保するために単価も下げなければならないという二重苦・三重苦にさらされる経営者の悩みのタネは尽きないようです。また、多品種・小ロット化が進む受注形態にどれだけ柔軟に対応できるかの弾力性も、“選ばれる下請け企業”となる大切な要素のひとつなのです。

 

この会社では、社長の方針で数年前から新規の取引先を多く開拓し、多品種に対応できるよう内部の技術者の育成にも力を入れ、以前に比べ仕事の幅が大きく広がったのだそうですが、肝心の主力取引先の動向がつかめていないことが大きな問題のようです。

 

このような下請け型事業を営む企業は世の中に数多く存在しますが、優先すべきは、技術力を磨くことなのでしょうか?それとも得意先の信頼を得ることなのでしょうか?

 

ものづくり現場からの発想なら、「技術力を上げて、ミスの無い製品を納期通りに納めること」となるのかもしれませんが、下請け型事業の経営者として欠かせない発想は?と言えば、「特定の主力取引先との関係を強固にし、信頼を得ること」が優先されるべきです。

 

当たり前のことなのですが、長く現場を経験した経営者ほど意識が現場に固執してしまい、顧客あっての商いであることをつい忘れがちになってしまいます。自ら商品をつくり値段を決める事業とは取るべき戦略が大きく異なるのです。

 

取引先が何を望んでいるのか?

 

ライバル会社はどのように切り込んで来ているのか?

 

そして何より、取引先トップは何を考えどこへ向かおうとしているのか?

 

を把握しておかなければ、どんなに技術力を磨いてノウハウを詰め込んだとしても、いつまでも安定的に仕事をもらえる保証などどこにも無いからです。

 

下請け型事業であるからこそ意識を向ける先は顧客であり、どのようにして強力な人間関係を築くかに注力し、それこそが経営を安定させるための大切な営業力となるのです。

 

経営者の皆さま。意識の矢印はどの方向に向いていますか?

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