応援コラム

第295話 6割の営業活動は面談前に終わっている

 

「先月、約2年半ぶりにベトナムに行ってきました」とお話した時に、ある社長からこのようなご質問をいただきました。「ベトナムの今ってどんな感じですか?」と。確かに、こればかりはテレビのニュースやネット情報では得られない生の情報が聞けるので皆様感心の高いところなのだな、と思いました。実際には、私自身も何割くらいの人がマスクをしているのか?や、感染者数などを把握しているわけではなく、あくまでも自分の肌感覚で、滞在中の商談はほぼノーマスクでOKだった話や、現地の空港の様子、街中の様子、交通量や2年半前と変わったところ(変わっていないところ)などをお伝えしました。

 

 

■情報が溢れているからこその注意点

 

現代は、ググるだけではなく、YouTubeやTikTokなどの動画で様々な情報に触れることができ、世界中のありとあらゆる事柄が手のひらの中で調べられる便利な時代になりましたが、それでも、私たち人間にとって、実際の感覚(見た・食べた・匂った・触った・聞いた等)を味わうことはとても重要なことなのです。自分自身で体験することができない時には親しい人や信頼できる人の体験を共有し、自分の感覚として取り入れ、何かの判断基準にする…ということはよくあることです。

 

冒頭の社長も、近々ベトナムに行きたいと考えていて、でもコロナも気になるし、せっかく行っても行動の範囲が限定的だったらもったいない…など色々と思われるところがあったようです。私たちが何かについて知りたいと思った時、まずはネットで調べる…というのがもはや常識のようになりましたが、更に深く興味を持つものについては、やはり直接会って聞いてみたいと思うものかもしれません。特に、事業を成長させたいと考えている社長であれば、一般的なデータ…みたいな情報ではなく、実際にビジネスをしている人の感覚から見た“生きた情報”が欲しいと思うのは当然のことです。

 

 

■営業の導線を見直してみる

 

実は、これは普段の営業活動にも同じことが言えます。

 

お客様目線で考えた時、自社の課題解決に必要な製品やサービスは無いか?何かもっと良い方法は無いか?という時に、まずはインターネットで調べますが、情報がたくさん出れば出るほど迷ってしまいます。そこで、まずはどこかの話を聞いてみよう、となるはずです。その時にどこの話を聞くか?が大事なポイントになるのですが、その場合、知り合いの会社があれば最初にそこ、無ければ「感覚的に良さそう」だと思った会社を選ぶ…ということをやっているはずです。その時の感覚的に…という無意識の感情はどこから生まれるか?と言えば、やはり「誰が」「どの立場で」「何を基準に」発信している情報か?ということです。

 

皆様の会社の日々の営業活動(特にBtoB)において、自社の製品はコレ、ターゲットはココ、メリットはこう…とった具合に形式的なやり方・考え方が習慣になってしまっているかもしれませんが、お客様が何を基準に「話しを聞いてみたい」と判断しているのか?を考えたことがあるでしょうか?

 

いくら良い顧客層の開拓に力をいれても、どれだけ自社の価値をアピールしても、数ある競合の中から、ぜひあなたの会社の話を聞いてみたい!と思ってもらえる仕組みが営業導線の中に設計されているかどうか?が非常に重要なのです。

 

 

■営業はとにもかくにも入口が最重要ポイント

 

どれだけ営業量を増やして、広告費をかけてアプローチを増やしても、それがきちんと契約につながり、継続的なお付き合いができるまでの流れができていなければ安定的な優良顧客の獲得にはつながりません。どこの会社でも行っている営業活動(新規顧客の開拓から顧客化まで)ですが、それぞれのプロセス(集客、教育、セールス、フォロー)がスムーズに流れる仕組みをつくっていく必要があります。

 

例えば、この一連の活動を川の流れに例えて考えてみた場合、あなたの会社はスムーズに水が流れているでしょうか?流れが滞っている(川幅が狭まっている)ところは無いでしょうか?まずはそれを見極めることが先決です。どんなに良い技術を持ち、良い商品・サービスを提供しようとしていても、その流れがスムーズでなければ良い循環は生まれません。自社の事業がうまく回っている状態=豊かな川の流れをつくりたいと考えるのであれば、そもそも水が注ぎこまれる場所である「入口」が非常に大切だということもお分かりいただけるでしょう。冒頭お伝えしたように、インターネット技術が発展した現在、顧客の9割は製品購入前にネットで情報を調べているといわれています。ほとんどの人が、何かしら購入を決める前に会社のホームページを見ているということです。実際、私たちが提案される側である場合、初回の面談前に必ず相手の会社のサイトは確認しますよね。「6割の営業活動はすでに面談前に終わっている」と言われるほど自社のWebサイトの重要性は高まっています。

 

 

■社長のメッセージが大きな決め手となる

 

中でもよく見られるページが「社長あいさつ」です。これから会う会社は、どんな社長が、どのようなことを考えていて、何を大切にしているのか?は必ずと言っていいほど見られています。そこに書かれているあなたのメッセージが川の入口を決めているといっても過言ではありません。

 

「ホームページは社員に任せているから…」

 

とおっしゃる社長も少なくありませんが、一般的な…他社と同じような…形だけの…そんなあいさつになっていないか、今すぐにチェックされることをおすすめいたします。

 

そのメッセージは、「誰が」「どの立場で」「何を基準に」書いたものでしょうか?

あなたは何者としてその考えを発信しているでしょうか?

そのメッセージに込められた持論に自分なりの根拠はあるでしょうか?

それは、本当に大切なあなたの理想顧客の明確な判断基準となっているでしょうか?

 

良いお客様にめぐり合うためには、社長の刺さるメッセージを入口に置かれることをぜひおすすめいたします。

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