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第300話 お客様との連絡手段は断然「電話」が有利!?

 

最近、問い合わせ窓口がメールしかなく、電話番号をホームページで公開しない企業が増えています。例えば、ある商品を購入した時に不具合があって、購入したお店に連絡をとろうと思ってサイトのお問合せを探してもメールフォームしかない…という経験はないでしょうか。問い合わせをする機会がないとなかなか気がつかないことですが、問合せ窓口が電話対応のみ、メールフォームのみ、両方が記載されている場合があります。それぞれメリット・デメリットがあるでしょうが、私は断然「電話派」、特に営業的な視点から考えると電話は超重要アイテムですよね…先日、ある社長とそんな会話になりましたので、今回のコラムはそれをテーマに書いてみたいと思います。

 

 

■クレームは宝の山

 

「問合せ」と聞いて思い浮かぶものの一つにクレームがあります。特に電話対応をする側の人間からしてみると、「商品に関するお問合せ」はいいけれど、「クレームはちょっと…」と思う人は多いでしょう。顧客からのクレームは、受ける人間にとってはあまりうれしいとは思えないでしょうし、実際、日々のクレーム対応に悩む人も少なくないでしょう。しかし、長い目で見ると、会社にとってクレームほどありがたいものはありません。クレームは、商品やサービスに対する隠れた不満を明らかにして改善へのヒントを与えてくれるばかりか、顧客とのつながりをより密接にするきっかけにもなるからです。

 

一般的に、商品やサービスに対して不満を感じた顧客のうち、実際にクレームを言ってくる人は1割にも満たないといわれています。つまり、クレームが1件発生したということは、その向こうに同じような不満を感じている顧客が9人は存在する可能性があるのです。え、そんなに?!と驚く数字ですが、わざわざ声をあげてもらったということは、知らずに顧客の期待を裏切り続けるところだったものに気づかせてもらえたと考えると、会社にとっては大変貴重でありがたいものともいえます。逆の立場だったとすると、よっぽどの事でない限り、黙って去っていくことの方が多いかも?と思ったりします。

 

その時の対応手段として有効なのが、やはり電話かなと私は思います。受ける人は良い気がしないかもしれませんが、メールやハガキなどで届くよりも生の声を直接聞くことができるし、何より、直接話しをすることで、お客様の安心感につながり、早期の解決につながると思うからです。(対応次第ではそうではないケースもあり得ますが…)

 

 

■企業側、顧客側それぞれのメリット・デメリット

 

次に、メールフォームと電話対応、企業側・顧客側それぞれのメリットとデメリットを考えてみたいと思います。

 

まず、メールフォームで対応する場合の企業側のメリットとしては、オペレーターを置く必要がないので業務の効率化が期待できるところが大きいでしょう。デメリットとしては、きちんとメールフォームの構築がされていないと顧客に手抜きだと思われる点。

 

一方、顧客側のメリットとしては、電話に抵抗がある人でも気軽に利用できる点や、時間を気にせず24時間いつでも問い合わせができるところでしょうか。デメリットとしては状況を文章で説明することが面倒だと感じるのではないか?という点と、すぐに回答が返ってこない点などが考えられます。

 

それでは、電話対応の場合はどうでしょう。

 

企業側のメリットとしては、何と言っても顧客の疑問点や伝えたいことを直に聞き取ることができる点です。メールでは聞き取れない細かな部分や、顧客の期待・不安などの感情面も深く聞き取ることができます。一方のデメリットは、オペレーターの人件費がかかることや、1件あたりの対応に時間がかかる点などです。「人件費」「時間」などのコストは、今の日本企業が一番削減したい経費…と言われていますので、メールに切り替えるのもやむを得ない部分はあるかもしれません。

 

反対に、顧客側のメリットは…すぐに解決できる、言いたいことを伝えやすいといった点でしょうか。メールで文章を書いて送るよりも言いたいことが言えると感じる人は多いのではないでしょうか。すぐに聞きたい、すぐに解決したい…そんな時に電話窓口はとても有り難いものです。デメリットとしては、窓口対応の時間が限られている、通話中でつながりにくい、フリーダイヤルではない場合は通話料がかかるというところでしょう。ちょっとした疑問や不安を解決するために電話を掛けたのに、話し中でつながらない時間が「大きな不満」につながる…というリスクもあるでしょう。

 

■営業マンにとって電話は「お客様からのサイン」

 

ここまで、「問合せ」の手法について考えてみましたが、実際の営業現場での顧客対応についてはどうでしょうか。

 

最近は、「業務効率化」の名の下に、顧客とメールでやり取りする営業マンも少なくありません。携帯番号を教えていても、営業途中に掛かってきた電話には出られない…という理由からのようですが、しかし、考えてみると、すぐに対応できないのはメールも同じだと言えます。それよりも、何か思いついた時にすぐに電話を掛けてもらえるようにしておいて、出られなかった場合には折り返す…という約束を事前にしておけばどうでしょう。商談中でも後から必ず折り返しがあると思えば、きっと顧客も待ってくれるはずです。

 

今、あなたが提供している商品やサービスがあなたの会社にしか提供できないものだったとすれば、顧客はあなたの会社の注文や問合せのルールに従ってくれるでしょうが、そうではない場合、競合も含めてなるべく手間が掛からない方法で連絡がつく会社を選ぶ…というのはごく自然なことです。大切なことは、顧客が思い付いた時(質問、注文、紹介など)に、ボタン一つでつながる関係性をいかに構築しておくか?ということであり、それこそが営業マンの重要な仕事の一つなのです。

 

あなたの会社の受付方法はいかがですか?営業マンの対応方法はどうでしょうか?一律に「効率化」だけを考えて、本当に大切なことが忘れられていませんか?新規開拓が難しいと感じている会社こそ一番に考えるべきことは、「お客様が出す一瞬のサインを逃さない」ことなのです。

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