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第301話 「商品が売れない時…」に陥りがちなこと

 

あなたの会社では、売上が上がらない=商品が売れない時に、どのような対応をしていますか?何を考え、どこから手をつけているでしょうか。「営業量が少ないから、もっと営業に歩いてこい!」と営業マンにはっぱをかけるでしょうか?それとも、自社商品の認知が低いせいだ…と考え、SNSを始めたり広告をうったりして、もっと広くたくさんの人に知ってもらうための手を打つでしょうか?はたまた、過去に提案して断られた顧客の声を引っ張り出してきて「どこか我々が改善すべき点は無いか?」と考えるでしょうか。どれも、私たちが売上を改善させようとする時に真っ先に頭に浮かんでくる対策法ではないでしょうか?

 

■「商品が売れない…」と思った時の考えグセに気づく

 

特に、自社で開発・販売している商品であれば、その品質には絶対の自信を持っていて、伝え方や伝える量さえ増やせばもっと売れるはず…と思い込んでいる会社は少なくありません。長年の経験から、「きっと顧客はこんな商品があったら助かるに違いない」「この商品は多くのお客様に喜ばれること間違いなし」という想いで苦労して開発し、ようやく商品化にこぎつけた…という商品であれば尚更です。

 

ただ、大企業のように多くの人に認知されている会社でさえも全てのものが売れているわけではなく、むしろ新商品を発売しても「売れなかったものの方が多い」なんて言われるくらいですから、私たち中小企業の、しかも世間に認知されていない商品を販売していくことは至難の業です。

 

そんな時に多くの社長が真っ先に考えるのは、「営業方法の見直し」です。

 

実際には、「商品を広く知ってもらうためのマーケティングの見直し」が正しいかもしれませんが、中小企業にはマーケティングと営業を分けているというところは決して多くなく、営業マンがマーケティングも営業も担当している、というのが現実です。なので、売れない時には営業方法を見直し、しかも、そこに問題があるだろうという発想から、営業量を増やしたり広告を始めたり…という行動に出てしまうのです。

 

 

■マーケティングがベストな状態でも「売れる」わけではない

 

ただ、仮にマーケティングをベストな状態にしたからといって、それで問題が解決されるわけではありません。マーケティングとは、「商品を広く知ってもらうこと」。確かに、商品の知名度や販路が広まっていなければ売れないので、それらを広めることは大事ですが、商品は「広めれば売れる」というわけではありません。

 

特に、SNSを活用したマーケティングは低コストで誰でも始められることからあまり広告に経費をかけられない会社でもすぐにスタートできますが、地道にコツコツやっているだけでは時間ばかりが取られ、なかなか成果につながりません。仮に面白い動画や奇抜な投稿で再生回数やいいね!の数は稼げても、それがイコール売上につながるわけではなく、毎日投稿に時間を割いている割には結果に結びつかない…と途中で止めてしまう人が大半です。

 

先日、顧問先のSNSマーケティングの定例会議に参加した時もこのような話題が出たのですが、「社内でやるにはできる人が限られていて、企画もワンパターン。いっそのこと外注に出したらどうか?」という案が出て、何社か外注先の見積りを取ったのですが、動画の企画・撮影・運用など全てをお任せすると月額100万円~200万円、登録者・再生回数などの数字が伸びてくるのは3~4カ月くらいから、更には実際の成果につながるのは半年から一年後くらいというのが各社の共通した見解でした。

 

売りたい商材(単価)によっても違いはありますが、確かに、私の知っている女性経営者は年間1,000万円ほどかけてSNSで集客できる仕組みを構築したと聞いたことがあります。「高いな~」と思う気持ちもありますが、反対に、それくらいかければ集客の仕組みができるなら安いものだという考え方もあります。

 

■買ってくれない理由探しから卒業する

 

ここまでお話すると、「いやいや、半年から一年かかるとか、年間1,000万円のコストだとかそんなの現実的じゃない。もっと早く、もっと確実に結果を出すためにはどうしたら良いのか」という声が聞こえてきそうですので、最後に大切なことを一つお伝えします。

 

営業方法の見直しをする際、商品を購入してもらえなかった際の分析に懸命になり、実際に購入してくれたお客様の声(買っている理由)を意外にも大切にしていないケースが多いのです。

 

確かに、売上の数式は

 

「アプローチ(量)」×「確率(歩留まり)」×「価格(定価-値引き)」

 

であり、確率(歩留まり)を上げるには営業マンの教育やサービスの充実など少々時間がかかるし、価格を上げるには、定価を引き上げるか値引きをしない売り方をする必要があるので、こちらもすぐには難しい…となると、量を増やす=断られる数を減らそうという発想になるのも頷けます。

 

しかし、そこに焦点を当てると必然的にまだ取引の無いお客様の「買わない理由」を明確化し、それを解消することが優先課題となってしまい、そこに落とし穴があると私は考えます。

 

断ったお客様は、その商品に対して十分理解をしているわけでもなく、あなたの会社に興味を持っていないことの方が多いのです。むしろ、世の中に情報があり過ぎて何を選択すれば良いのかわからない…という状態なのかもしれません。そんな相手の言動をどれだけ分析しても、あなたの会社の商品が売れるためのヒントが出てくるとは考えにくく、むしろ我々が考えるべきは、「買っている人の買っている理由」を知ることです。

 

そしてそれを「買っていない人」にどうしたら当てはめられるのか、という視点で考えることです。多くの営業マンは「買ってくれている人(既存顧客)のことはよくわかっている=リサーチは必要ない」と決めつけがちな傾向にあります。ここが盲点になっている可能性があります。

 

あなたの会社の、その商品を買ってくださったお客様の本当の理由、社長はご存知ですか?

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