応援コラム

第312話 自社のことを積極的に紹介してくれる優良顧客の育成

 

営業体制づくりや営業社員の育成についてご相談を多く受ける立場なので、当然ですが弊社でも自ら様々な営業手法に挑戦しながらその効果を検証し、メリット・デメリットを分析する…といったことを10年以上続けています。

 

中でも、BtoBの代表的な営業方法として知られている飛び込み営業やテレアポ営業なども、このコンサルティングという業界では珍しく(?)挑戦したことがあります。他にも、DM、Web広告、セミナー営業、展示会など様々な方法で新規顧客を開拓する…ということをやり続けていますが、ご承知の通り、コロナ以降は飛び込み営業をするところは激減し(ただでさえ入れてもらえない・会ってもらえないのに、コロナを理由により一層断られやすくなったため)どの会社でも新たな顧客開拓の営業手法に頭を悩ませていることと思います。

 

 

■新規開拓は目先の売上を取りにいくものではない

 

既存顧客からの売上の伸びが期待できない、既存顧客の数が減ってきている、などの課題を抱える会社では、新規の顧客開拓は喫緊の課題だと思いますが、この時に考えるべきこととして、「目先の売上を取りにいってはならない」ということを頭に入れておく必要があります。

 

「とりあえず契約してくれる」とか、「とりあえず何か仕事につながれば」という発想ではダメだということです。

 

売上が低下してくると、まずは目先の売上回復に気持ちを奪われ、何でも良いので即売上につながる顧客の開拓(ターゲティング)を考えてしまい、その手法にばかり気を取られがちですが、新規開拓をする時に私たちが忘れてはならないのが、「何のための新規開拓なのか?」という目的です。

 

一般的に新規開拓営業は非常に効率が悪く、時間と費用がかかる割には即効性が無く、なかなか売上に結び付かないと言われており、実際にその通りなので、既存顧客のアップセルやクロスセルに力を入れる気持ちも理解できますが、常に未来の優良な顧客を創り続けることはとても重要で、その視点を持って顧客を開拓していく必要があるのです。「とりあえずの客」ではなく、「伸びしろのある客」の開拓をすることが大切なのです。

 

 

■顧客開拓の導線設計はできているか

 

弊社でも様々な形で新規開拓をしているとお伝えしましたが、中でも一番効果の高い方法として、「既存顧客からの紹介」があります。実際に商品・サービスを購入し、満足してくれている顧客からの紹介はとても角度が高く、信頼関係の構築までの時間を大幅に短縮することが可能なのです。

 

ただ、多くの社長が「理想ではあるけど、現実的になかなか難しい…」というお声をいただく既存顧客からの紹介…どのような考えを基に設計すれば良いのでしょうか。

 

仮にあなたが顧客の立場だとしましょう。会社にやって来た営業マンが「どなたかご紹介いただけませんか?」と言ってきたらどうしますか?よっぽどその営業マンを信頼しているか、そこから購入している商品やサービスに満足していれば二つ返事で承諾するかもしれませんが、そうでもないと感じている場合は「考えておく」と言ってその場をやり過ごすのではないでしょうか。そう、ご紹介をいただけるということは、商品にも会社にも、そして営業マンにも満足しているということが大前提となります。そもそも、売れていない商品やサービスがご紹介につながることはありませんので、自社の一番の「ウリ」は何か?を改めて定め、それが紹介につながるための道をつくることになります。

 

他にも、見落としがちなことがあります。

 

例えば、社長同士の個人的な紹介のような場合はお互いに性格や好みもわかっていて、「これなら喜んでくれるだろう」とか、「彼なら話くらい聞いてくれるだろう」といった予測がつくと思いますが、会社同士の紹介や、少し改まった紹介の場合、そうはいきません。事前に、互いの会社がわかる情報を発信しておく必要があります。その時に「会社がわかるもの」として一般的なものがWEBサイトです。今どきホームページを持たない会社は少ないと思いますが、では、信頼を得るに値するホームページかどうかと尋ねられたら、「いや、ちょっと…」となってしまうかもしれません。これは、会社案内や簡易なチラシにも同じことが言えます。

 

 

■自社の何を伝えるべきか?

 

この、ホームページや会社案内で社長が伝えるべきこととして忘れてはならないのが、会社のスタンスです。自分たちの会社は何を大切にし、何を目指すのか?また、何をしない(やらない)のか?といった自分たちのモットー・社会に対する約束事です。

 

耳障りのいいことだけを並べていて、真の姿が見えてこないサイトは山ほどあります。私も、事前にサイトを見てから実際に訪問し、このギャップ(言っていることとやっていることの違い)にがっかりした経験は少なくありません。特に、紹介された側が見るという視点で考えた場合にはここが大きなポイントとなります。スタンスが明確になっている会社ほど、本当に大切な顧客へのメッセージは刺さりやすくなるのです。

 

様々な営業手法が登場し、どのやり方が一番効率的か?どうすれば手っ取り早く顧客を開拓できるか?費用対効果は?…という声がよく聞かれる営業の世界ですが、手っ取り早く…とか、とりあえず…で良い顧客を開拓し、確実な成長をしている会社はありません。(少なくとも私は見たことがありません)

 

遠回りに見えるかもしれませんが、自社の売りを磨き上げ、自社の在り方・方針を明確にし、理想の顧客像を目指して確実に顧客を開拓する…そういう営業体制の構築と導線設計をすることが一番の近道だと私は思います。

 

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