応援コラム

貴社の社員は「会社」の何を伝えているだろうか?

 

先日、知り合いの会社が出展されるということもあり、久しぶりにビッグサイトに足を運んできました。事前の入場登録やアプリによる入退場管理など、「密の回避」「非接触」対策で加速したこれらの対応は、無駄な行列ができないスムーズな移動につながって良かったな~と実感したところです。

 

中に入ると、ブースごとに各社が展示している光景は、一見、以前と変わりありませんが、各所でオンラインのセミナーやオンラインによる商談をすすめている会社もあり、単純に来場者数や名刺の数では成果が図りにくいな、と感じました。今回は、そこで感じた「会社の伝え方」について書いてみたいと思います。

 

場内をぐるぐると歩きながら各社の看板に目をやると、

・自社の社名を掲げている会社、

・イチオシの商品名を掲げている会社、

・お客様の課題(〇〇にお困りではないですか?)を掲げている会社、

・自社が提供できるもの(わが社は□□ができます!)を掲げている会社、

…といった具合に、それぞれ工夫を凝らして来場者の目を引いていました。

 

流れている動画のクオリティが高いとか、VRを活用した体験型のプレゼンをしている会社があるなど、時代の先端を感じさせるモノがあちこちにありました。

 

実際にそこにいる担当者と話してみると、これまた三者三様、その商品や技術の『機能』(〇〇ができます、□□が搭載されました、△△が軽い・重い・早いなど)を説明してくれる人もいれば、「どういったものをお探しですか?」「どのような課題をお持ちですか?」など『ヒアリング』を大切に接してくれる人など…こちらも各々特徴があるな、と。

 

しかし、全般的な印象としては、会話が長く続かない(続けようとしない)人が多いな、と思いました。ほんの二言三言交わしただけで会話が終わってしまう人…本当に多いな、と。これは、展示会という特性上、限られた時間内で、次々と相手を替えて名刺交換し、会話を繰り返して一人でも多くの人と接点を持ちたいと考えるでしょうから仕方の無いことだと思うのですが、ぐるりと一周歩いた後、ほとんど印象に残る会社が無かったな、と感じたのです。“あの会社は!”“あの担当者は!”と思い出せるものが。

 

何か、具体的に“コレ”を探しに…という人には、お目当てのモノさえ見つかれば良い展示会だった、となるのかもしれませんが、「何か良いモノないかな~」という人にとっては、どれも似たような製品・特長に感じられる…というのは少しもったいないように感じたのです。以前、展示会に足しげく通っている社長に「展示会には何を目的に通われているのですか?」とお聞きしたことがありますが、その時の答えは、「自社が今後開発するもののヒントとなるものを探しに来ているんですよ」…でした。具体的な何かは今はまだはっきりしていないけれど、ぼんやりとしたイメージはある、と。

 

そんなことを考えながら次のアポイントに向かうため、ゆりかもめで新橋に向かっている車中で、こんなことを思い出しました。

 

以前、私が保険営業をしていた頃は、多くの社長が参加する会合やイベントによく参加していましたが、同じように他社の保険営業マンもたくさん参加していて、その時にこんな風に言われた経験があります。

 

「この会は保険営業の人が多いな~。みんな同じような名刺で、同じような雰囲気だからこれと言って印象に残る人がいなかった。」…と。

 

確かに、男性も女性もシンプルなスーツに身を包んで(営業マンらしく身だしなみが整っている人が多く)、滑らかなトーク(ロールプレイングで鍛えた会話術)で、誇らしげに自分の実績や事例を話す人が多く、好印象をつくっているんだけど、それが逆に印象に残らないと言われるのも頷けるかも?と思いました。みんな、自社の商品は良いと言ってくるし、提供できるメリットがこんなにあるんだ!と言われても、相手にとってみれば他社との見分けがつかない状態、更に、奇麗な資料、清潔感のある服装…と、最高の営業を心がければかけるほど、他の営業マンとの区別が無くなる、という面白い現象になるのだと。

 

私たちが普段必死にやっている、「他社との差別化」や「自社の商品をアピールする」こと、また、「営業マンのスキルを上げること」などはとても大切なことなのですが、競合がたくさんいる中で私たちが最も考えなければならないのは、

 

「自社らしさをどう伝えるか?」

 

です。

 

自分たちが何を目指しているのか?

自分たちは何のためにこの商品を作り、販売しているのか?

自分たちにしかできないこと、自分たちが作る意味は何なのか?

 

これらを必死に考えた先に出てくる、「自分たちらしさ」。

 

それは、規模の大小でも、実績の多さでも、納期の早さでも無く、自社がこの仕事をやっている意味。

 

きっと、先ほどの展示会会場でも、こんなことを必死に語る担当者がいたら、心に残ったのかもしれないな~、そんな風に思ったのです。自分たちの使命感を真剣に語れる人です。

 

ちなみに。

私は、今の仕事は使命感を持ってやらせていただいています。

 

・昔、家業が倒産し、家族全員が辛い思いをした経験があり、私が出会う社長にはそうなって欲しくないという反面教師的なアドバイスができないか?

 

・保険営業時代に、他社との競争に明け暮れる「お願い営業」で疲弊し、何とかこの「価値ある商品」の本当の良さを伝える方法はないのか?という想いから生まれた営業方法をお伝えできないか?

 

・営業という仕事が辛くて社員がどんどん辞めていく、そんな社員の教育方法がわからず手をこまねいている社長の力になれないか?

 

そんな思いでコンサルタントという仕事を選びました。

毎年2回開催される“コンサルタントの展示会”にはそんな気持ちで参加しています。

 

世の中には様々な展示会がありますし、オンライン化などどんどん形も変わって行きますが、そこに訪れる人の心に響くメッセージを伝える大切さは変わらないと思っています。

あなたの会社の社員は、展示会で何を伝えているでしょうか?

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