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資源は豊富!でも全国最下位のワケ

先日の新聞で、地域をテーマにした話題で取り上げられた記事です。「歴史や自然環境などアピールできる魅力を秘めているのに、訪問した外国人の数が全国で最下位グループにとどまる」・・・と書かれていたのは、私の出身地である島根県とそのお隣の鳥取県。今年1月から3月に日本を訪れた外国人のうち両県をたずねた割合(訪問率)は島根がワースト1位、鳥取が同2位だったそうです。

 

確かに、「新幹線が通っていない」「国際線もわずかにしか飛んでいない」など不利な条件は多いのですが、だからと言って他の県はそれらすべてが整っているわけではありません。この記事の中で、ある専門家は、「情報発信のターゲットを絞った集客を考えることが重要だ」と語っていましたが、果たしてどうすれば最下位争いから抜け出すことができるのでしょうか。

 

仕事柄、様々な場所を訪れ、その土地ならではの名所や美味しいものに触れる機会が多いのですが、観光客の誘致・集客に成功している場所に共通して言えることは、「魅せ方を工夫して上手に発信している」ということです。そして、きっとその根底には、その地域に住んでいる人達自身が心から地元に魅力を感じ愛しているのではないかと思います。そこをよく知る人々が魅力を感じてこそ、人を惹き寄せる力になり、「来て良かった」という満足を生み、「また来たい」につながるのだと思います。

 

実際、私も地元島根県の魅力をどれだけ他県の人に伝えることができるかと聞かれたらあやしいものですが、実は、これは経営者が会社や事業を振り返った時にも同じことが言えます。

 

他社に負けない素晴らしい強みがあり、それをもっと知ってもらいたいのに、なかなか顧客が増えない・・・。なぜみんなこの良さをわかってくれないんだろう?というお悩みは多く耳にします。しかし、皆さんのことを知らない他人を、「素晴らしい!」とうならせてその気にさせるためには、それなりに一捻りも二捻りも工夫をして惹き寄せる魅力を伝えることが重要です。そのためには、まずは自分たち自身がしっかりとその魅力を発見し、大好きになることからはじめてみてはいかがでしょうか。そうすることで、それを“魅せる”発信力も自然と強くなり、面白いように知恵が湧いてくるものです。

 

あるIT関係の企業さんでは、同業他社に比べて「社員の離職率が低い」という点に着目し、それを自社の強みとして掲げて、「なぜみんな長く働いているのだろう?」「どんなところがこの会社の良いところだろう?」「社員が辞めないことは取引先にどんなメリットを提供できるのだろう?」と何度も何度も話し合って出した答えは・・・「みんな、明るく豪快な社長が大好きで会社が楽しい!」でした。そして自分達が長く勤められるということは、常に変化するクライアントのニーズに長く寄り添うことができ、共に成長し、それを分かち合えるパートナーでいられる!ということを社員全員がお客様に伝えていくことで、新規の見込み客からも絶大な信頼を得ることに成功したのです。どんな仕事であっても、信頼は最高の強みです。何で信頼を勝ち取るのか・・・その目のつけどころが肝心です。

 

ちなみに、先ほどの「外国人観光客の訪問率が全国最下位」とご紹介した山陰両県・・・実は今年3月に経済産業省が発表した「暮らしやすい街」ランキングでは島根県松江市が堂々の第1位で、そのほか上位10市のうち島根が5市、鳥取が1市ランクイン!・・・という結果となり、住み心地では一流の信頼を勝ち取った・・・のかもしれませんね。

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