応援コラム

部下の育成がうまくいかないのは、社内に〇〇が無いから。

 

もう随分前に営業研修で伺ったことのある会社の部長と久しぶりにお会いした時のこと。当時から部下の育成には力を入れていらっしゃったのですが、今も変わらず頑張っています、とのことでした。毎年、継続して外部の先生を呼んで研修を続けているし、仕事のやり方も、熱心に指導はするが、なるべく口を出さないようにしている。会社の福利厚生も充実していて喜んでくれていると思うんだが…。でも、なかなか自分が思うような『自ら主体的に動いてくれる人材』に育ってくれないんだよな…とおっしゃっていました。

 

部下育成は難しい…そうお感じの社長や幹部の方は多いのではないでしょうか。

 

今回はそのような方のために「部下育成に必要な“あるもの”」について書きました。

 

一般的に言われている「部下育成を成功させるポイント」的なもので考えると、まずは部下とのコミュニケーションが大事!とか、部下の話をよく聞くことが大事!といったところでしょうか。確かに、いくら素晴らしい考え方やアドバイスを伝えようとしても、その関係性がうまく構築できていなければ叶いません。

 

例えば、よくある失敗の原因として、

 

・指導する側が感情的になってしまっている…

・部下に自分で考える時間を与えていない…

・部下との信頼関係が構築できていない…

 

などがあげられます。一つずつ見ていきましょう。

 

◆指導する側が感情的になってしまっている…

部下が自分の思うように動いてくれないと苛立ってしまい、感情的、且つ、高圧的な態度を取ってしまうケースです。気持ちは分かりますが、結果、部下が心を閉ざして萎縮してしまうことになりかねません。

 

◆部下に自分で考える時間を与えていない…

部下に成長して欲しいと望むのであれば、部下が自分で考えて行動する経験を積ませることが大切です。とは言っても、行動の選択や決定を全て部下に任せるのは不安が大きく、ついついやり方を細かく指示してしまいたくなるかもしれませんが、それでは部下の成長の機会を奪いかねません。仮に細かい作業を指示する場合でも、この作業は何のために行っているのかなど、目的を意識させるといった工夫が必要です。

 

◆部下との信頼関係が構築できていない…

信頼関係が構築されていないと、部下に対する適正な評価ができません。信頼関係の構築は、まずは相手を知ることから。どのような考えや価値観を持っているとか、その仕事ぶりなどを知らないままでは間違った育成方法を取って失敗するケースもあります。信頼関係を構築するためには、普段からの部下との頻繁なコミュニケーションが必要です。

 

こういったことは、基本中の基本なのですが、ついついやってしまう失敗例です。

 

最近は、部下とのコミュニケーションにも気を使ってしまう…という上司も少なくなく(パワハラだ、セクハラだ、と言われるのではないか?という不安もあるようです)、そういった微妙な心の距離感がお互いのすれ違いを生んでしまっているのかもしれません。

 

ここで、本日のテーマである、「部下の育成がうまくいかないのは、社内に〇〇が無いから」についてですが、答えは『共通の言語』です。共通の言語とは、組織が大切にしている考えや、価値観・ビジョン・戦略・歴史などを表す言葉のことです。

 

部下の育成がうまくいっている…つまり業績を伸ばす強い組織と、そうでない組織との大きな違いの一つは「共通言語の量」ではないかと考えています。

 

社内の風通しが良く、活気がある組織を見ると、社員が同じ目的意識を持って、うまく協力し合っています。日々やってくる「変化」にも柔軟に対応でき、きちんと成果を生み出す組織…そこには共通認識に基づく、共通言語があります。

 

一方で、共通言語がない(会社の方向性ややり方・考え方が言語化されていない)組織は、それぞれが違うことを考え、気持ちが通い合いっていないし、話が嚙み合っていない…このような状態が続けば、当然ストレスに感じますし、生産性は向上しません。

 

もちろん、社内には様々な考え方をする人間がいて、人の数だけ意見があって良い(積極的な議論がたくさん生まれるほど社内は活性化する)のですが、その軸が揃っていなければ、まとまりがなくバラバラな組織になるだけです。

 

以前、「プラスワンの徹底」というキャッチコピーで業績を1.5倍にした会社があります。それまで、下請け仕事が100%で常に受け身な体制だったところに、提案型の営業体制を導入しようとした時、経営計画の作成や目標数値の設定はできたものの、どうやってそれを社内に落とし込もうか悩んでいた社長に、「社員にわかりやすいようなキャッチコピーを考えて、誰もが行動できるようにしまよう!」と提案しました。それが「プラスワンの徹底」だったのです。

 

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これを1年半続けた結果、業績が1.5倍になったのです。

これは、社員一人一人が何をすれば良いのかがとても明確で、行動に落とし込みやすかった(シンプルだった)おかげでしょう。向かう方向が明確であれば、誰も迷うことなく行動できます。

 

このような自社独自の共通言語を社内にどんどん浸透させることで、意識の矢印が揃い、社内のコミュニケーションも良くなっていきます。

 

共通言語は、ただ、あれば良いというものではありません。

 

自社の価値観や方向性、大切にすべきことを社長が言語化してそれを社内に浸透させていくことでエンジンが加速していくのです。

 

皆さんの会社には共通の言語はありますか?

どんな考えを共通の言葉にしていく必要がありますか?

それはどのようにできますか?

 

社長は、常にこれを考えていく必要があります。

さて、あなたの会社に「今」必要な共通言語とは何ですか。

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